刃物の研ぎ方教室の講師は元ホールアースのスタッフ
小田木さんだ。面白い人でテンションが高くなって舞いあがると、声が裏返ったり、早口になったり、シモネタに走ったりといろいろな症状がでる。
小田木は研ぎ師ではない。牛の爪を切るのが仕事だ。毎日のように刃物を研いでいるので、うまいだろうということで講師として呼ばれたようだ。みんな研ぐためのナイフを持ってきた。ナイフでも良かったのだが、
まんまは切れない包丁を持ってきた。「今日研ぐ刃物を家で研いだことがある人?」という問に誰も手を上げなかった。それどころか、砥石さえ持っていなかった。これには、
小田木さんはがっかりだったようだ。
小田木さんは言う「道具は常に最大の能力で。」「プロは毎日刃物を研ぐ。家庭用の包丁でも1週間に1回は研いだほうがよい。」1週間に1回とは予想外にハイペースだ。
最高の切れ味を引き出すためには技が必要だが、素人が使う道具として研ぐのであればそれほど難しくはない。一度も研いでいない包丁であれば絶対切れ味は良くなる。砥石に水を含ませ、刃物を砥石に対し、20度〜15度の角度で当てて研ぐ。角度は刃物によって違う、ナイフは20度くらい、包丁は15度くらい。角度が深いと切れないし、浅いとすぐに刃こぼれを起こす。包丁の場合、研ぎ面(砥ぐと色が変わります)が1mm未満となる。刃先が曲がっている場合は、その曲がり具合によって刃物を傾ける。これが慣れないとちょっと難しい。研ぐのは線で研ぐのではなく、点で研ぐ。指で押したり、刃物の両側から力を加えて湾曲させることにより点で研ぐことができる。実際やってみると、最初はうまく研げない。なんか余計に切れなくなったような気がする。
小田木さんに見てもらいながら研いでいくと、段々切れるようになってくる。一番難しいのは、研ぎ終わりの判断だろう。トマトなどを切ると解りやすいが、研ぐたびにトマトを切るのもちょっと大変だけどね。
小田木さんは刃物についての話もしてくれた。”血を吸った刃物は良く切れる話し。刃物のお仕置きの話し。ナイフの種類の話し。ナイフの材質の話し。”お仕置きの話しはちょっとここでは書けません。(笑)いろいろ詳しいのだが、マニアというよと生活の一部のように思えた。ロープワークの本とロープに続き、砥石も買うことになるだろう。