★2日目:昼食(担当:
ぴーまん)
最後はやっぱり、ホールアース名物チャパティ。未だに、生地が厚くてうまく焼けないのがちょっと残念だけど。朝から笑ったり、泣いたり、話し合ったりとの大忙しの午前であったが、話しはさらに続く。
アッパーに聞いてみようのコーナーで日本の話題もあった。外国から見た日本のイメージってなんだろうと考えた時に何かとメディアを通じて外国人からは「金持ち日本」と言うことを聞し、洋画ででてくる日本は何かと間違っている。また、日本の自殺者は年間3万人、1日平均では84名の命が自ら尽きている。「金持ち日本」は幸せなのだろうか?外国から日本のイメージについては
たまえが答えてくれた。「ゆんたく」(沖縄方言でおしゃべり)というメーリングリストを講座生の中で作っている。ここで、「ゆんたく」に流れたメールを紹介しよう。
〜〜 たまえのメール ここから 〜〜
たしかね、ビザさえ取れれば 世界中のどの国にも 入国できるのは日本人(日本のパスポート)だけのはず。つまり、世界のどの国とも国交はあって、多少の緊張関係がある国はあっても、ほとんどの国とは 友好的な関係 を築いているのは日本だけ。
そういう日本だからこそできる 国際貢献 が、内閣府主催 の青年のための 国際交流事業だと思うの。
つまりね、例えば「世界青年の船」という事業では、日本の招待に応じて、世界各国から18〜30歳の様々な背景の青年が集まってきて、約50日間、船の上で生活を共にするの。
アメリカの 9.11 テロの直後も、アメリカやアラブ諸国 を含む10数カ国の青年が同じ空間で生活をし、テロの恐ろしさと平和について話し合ったりもした。きっとあの環境は、日本が間に入っていたからできたんだと思う。
船上、という逃げ場の無い空間で 寝食を共に生活をすることによって、お互いの 思想 や 文化 や 宗教 や 国家 に対する理解を深め、そしてまるで 家族 のような関係を築き上げる。そして特に日本人が各国についての理解を深め、各国の青年に 日本 に対する理解を深めてもらうことが、このような事業の大きな目的になっているの。
各国から選ばれる参加者は、その後、青年リーダーとなることを期待されている人たちだから、このように世界的な視野をもち、国際理解の感覚を身につけた(さらに親日派の)青年が世界各国に育つ、ということは、将来 目指す、平和な世界への第一歩としての大きな貢献になっている、と私は信じている。・・・そのような場所の提供を国の予算で大規模に行っているのは日本だけ、ということで、このような国際交流事業に参加した世界の青年たち、そして各国政府からも、高く評価されているし、感謝されているの。
国連の人も、「これは国連が理想としている環境だ。それを一国の政府の予算で実現しているのはすばらしい」 と言っていたんだよ。
〜〜 たまえのメール ここまで 〜〜
そして、日本のいいところも「ゆんたく」でいろいろ上がった。
・四季がある。
・水の綺麗な国。
・「和」の国。とてもやさしい日本人。(阪神大震災で外国人を驚嘆させたのは、災害の規模だけでなく、暴動も略奪も起さず、自発的にボランティアを始め助け合った。)
・伝統文化がすばらしい(建築、美術、工芸、音楽などなど)
・高い精神性(仏教ちか東洋思想はまさに、和の思想)
〜〜 再びたまえのメール ここから 〜〜
外国人によく、「日本人は harmony (和) を大切にするね。なぜ?」って聞かれます。それに対する答えとして、私が説明に使うのは、神道の神主さんに聞いた話。
日本人はもともと農耕民族で、田んぼを耕しながら村の単位で生活をしていた。労働力が不可欠の農業をする村の仲間は、協力
しあって、助け合っていかなければ生活ができなかった。自分勝手な行動をすると、「村八分」にされ、田んぼに水を引くことができなければ米も育たず、一家は餓死してしまう。だから、人々は「和」を尊重し、助け合って生きる重要性を知っていた。
また、農耕民族にとって、自然現象は生活に大きな影響を与える要因だった。そこから土着信仰として生まれたのが神道。八百万の神・・・つまり自然界の全ての物には神が宿ると信じた人々は、農耕生活をする上で必要不可欠だった太陽や土や雨の神様に 祈りを捧げるようになった。そして、村の中心に「和」の象徴のようにして存在していたのが社(神社)だった。このように、自然界の全ての物や現象に神が宿る、と信じるのは、神道だけではなく、多くの先住民族の思想にも見られるよね。
自然と神と人の共存。
一時は国教でもあった神道が、今は統計的には 6.5% になってしまったのは、戦争で宗教が誤った使われ方をしてしまった歴史的な背景もあるけれど、「和」を重んじる神道の思想において、中国から仏教が入ってきたとき、新しい宗教と争うのではなく、日本人の思想に調和させながら受け入れていったからなんだって。それと、仏様(偶像)がいらっしゃって、経典もある仏教の方が、宗教として理解がしやすかったので、受け入れられやすかったらしい。
〜〜 再びたまえのメール ここまで 〜〜
ということで、心もお腹もいっぱいのお昼ご飯でした。
ぴーまん、1年間おいしいご飯をありがとう。