2月:あなたが伝える冬の自然 2004.02.21〜22

アイスブレイク/インタープリテーション論/夕食
インタープリテーション・フィールド編@/インタープリテーション・フィールド編A



★1日目:アイスブレイク(担当:イッツィー
涙のメランコ アイスブレイク  今回のアイスブレイクはイッツィーの「私につながるすべてのものへ」をテーマにしたゲームだ。ちょっと儀式っぽく、リズムカルなのがイッツィーぽくていい。始めに、瞑想し、自分につながるものを連想していく。友人、家族、大地、明日向かう西臼塚とつながりは限りない。イメージできたら、体で4拍子のリズムを刻みながら、連想ゲームをする。隣の人の言ったことから連想したことを言っていくのだ。例えば、イチゴだったらフルーツを連想してもいいし、赤を連想してもいい。フルーツを連想した人はバナナでもスイカでも何でもいい。仮にスイカを連想したら、スイカという。次の人はまたフルーツでもいいし、赤でも夏でもいい。ルールは簡単で誰でもできそうだが、4拍子のリズムに乗せると難しい。特に前の人の発想に意外性があるとパニックになる。せんべい→パリパリ→バリバリ→ぺろぺろ→・・・どう繋げっていうの?冷静ならキャンディとか言えるのだろうけど。どうして、こう毎回ヒーローが登場するのか?一体誰が脚本書いているの?今回の主役は、たけだった。頭の中では「ブランコ」を想像していたようだったが、口ははっきりと「メランコ」と言っていた。一同爆笑。本人は笑い過ぎで涙を浮かべ、その場に崩れ落ちていた。面白すぎる。「私につながるすべてのものへ」という、素敵なゲームは「涙のメランコ」に変わっていた。未だに何が飛出すかわからない面白さ、すごすぎ。

★1日目:インタープリテーション論(担当:ぴろし
ぴろし  インタープリテーション論の講師はぴろしだ。ぴろしは下唇の下にチョビヒゲがある。理由はよくわからないが、特徴的だ。きっと気に入っているのだろう。講義は、外のデッキで行われた。青空教室だ。インタープリテーション、インタープリターって何?と思う人も多いかと思う。そんな疑問を解決することからインタープリテーション論の講義は始まる。インタープリテーション、それは、単なる情報の伝達ではなく、物事や事実の背後にある意味や関係を明らかにすることを目的とした教育活動のことをいう。大げさにいうと、伝えたものが普通でなくなる説明の仕方だ。インタープリターとはその説明をしてくれる人で、普段は気がつかない事を気づかせてくれる人である。ここで、「好き」と言う気持ちの伝え方を考えてみる。

 言葉:  ・ほめる  ・手紙    ・メール
 行為:  ・見つめる ・近くによる ・手を握る ・ふれあう
 雰囲気: ・表情   ・念をおくる

伝える=話すとすぐに考えがちだが、行為や雰囲気で伝えることも可能だし、それらを駆使すれば相乗効果も生まれる。しかし、「すき」って気持ちははっきり言わないと本人には伝わらないね。見つめるだけで口説けたら楽なんだけどなぁ。逆にストーカー扱いされそうだしね。

インタープリテーション論  今度は、二人一組になって、「冬の自然」について相手に語ってみる。ただし、聞き手は無表情・無反応でなくはならない。まんまえみゅうとペアを組んだ。どうも、まんまは話しを黙って聞くことが出来ないらしい。どうしても反応してしまう。えみゅうは相手が無反応だと喋れななくなってしまう。逆に、まんまは無表情の相手に話すことはできるのだが、えみゅうの目がずっと笑っていて、可愛くて、面白くて、話せなかった。「冬の自然」を語りながらニコニコし、時に笑い転げる変な人達になってしまった。ほとんどの組が相手が無表情・無反応だと話し難かったようだ。ここで、学んだことは、伝えるには聞き手も大事だということだ。しかし、実際の聞き手は、自分に聞き手としての役割があるなんて思ってもいない。そこで、インタープリターは、聞き手を巻込む努力をする。実際の伝え方は明日、フィールドでのお楽しみだ。

私の宝物  ちょっと日が陰ってきたので、場所を森の家に移して、私の宝物・大切な物を伝える。振りかえって考えると、全員、人との繋がりについて語ったと思う。自分の運命を変えた友、同じ人を好きになった友、同じ時を過ごした友。みんなの「大切」伝わってきたよ。「聞き手も大事ね」からつながってきたみんなの「大切」、どうして伝わったか考えてみる。雰囲気、1年間過ごした仲間だから、自分の言葉だから、自分の大切なものだから・・・いろいろな意見があったが、集約すると語り手の「想い」ではないだろうか?気持ちがこもった言葉だから伝わるのではないだろうか?なんで大切な物・宝物を伝えようとしたか、最後に解った。当然、大切なものほど「想い」があるからだ。その前に語った「冬の自然」では相手が無反応といこともあったが、「想い」が足りなかったのかもしれない。先月のプログラムデザインでも「想い」が大切って習った。インタープリテーションってすきじゃなきゃ出来ないのかもしれない。

★1日目:夕食(担当:やっとかめ組
アダルトタイム ひつまぶし  夕食は先月と同じくメインキャビンで頂く。シンの勉強をジャマしないようにと8時までの制限付きだけどね。やっとかめ組が料理の担当。もちろん、名古屋名物攻めできた。しかも、「ひつまぶし」ときたもんだ。予算は大丈夫?名古屋にいたころまったく食べなかったのに、まさかホールアースでお目にかかるとは。本来ならお吸い物だが、もちもん赤だしが用意されていた。赤だし知らない人がいた。赤い色のだしを使っているのか思ったらしい。いつもなら、どんどん飲むところだが、食に走ってしまった。いっつぃーの呼びかけによって、いろいろなお持ちよりがあった。お酒の種類も豊富、豊富。米所新潟、外国からはタンザニアのお酒。幸せ〜。次回は、みんなで6月に漬けた梅酒も登場!!たのしみだ。8時にメインキャビンを退散。シン、ちゃんと勉強した?森の家に戻ってからは、3月のプログラムデザインの打ち合わせ。スタッフチームは5分で打ち合わせ完了だったが、うちのチームは3時間くらい打ち合わせをおこなった。内容はまだ秘密。たった15分のプログラムだけど、とても思いで深いものになりそうだ。その後2時くらいまで飲んでいたようだ。1分1秒でも時間を共有したいんだよね。


★2日目:インタープリテーション・フィールド編@(担当:ぴろし
テンとイタチ 動物の糞  朝食も名古屋攻め。具沢山のきしめんだ。う〜んあったまるねぇ。じょりぃがきしめんにおろし生姜を入れて食べていた。うどんには生姜らしい。地域によっていろいろあるもんだ。
 本日のフィールド西臼塚に移動。アニマルトラッキングを通して、インタープリテーションを学ぶ。例年なら、雪に覆われ、雪の中で足跡や糞を探すのだが、今年は雪がほとんど見当たらない。地面だとちょっと足跡も糞も判り難い。それでも、駐車場から数十メートルでいきなり糞を発見。白いプレートの上にあった。この糞はだれのものか?動物は食べ物によって、糞の形が変わる。草食動物は小さくコロコロの糞をする。そういえば、鹿、ヤギ、ウサギのふんはまんまるだ。雑食の動物はソーセージのような形になる。肉食は先が細くなっている。今回の糞は肉食のようだ。形以外にも特色がある。目立った場所に糞がある。これは、肉食動物には縄張り意識があり、自己主張しているためだ。大きさからして、テンのようだ。テンはあまり知られていないようだ。ぴろしがさっと写真を取り出した。映っている2つの動物がなんだかわかりますか?答えは、上がテンで下がイタチ。テンはイタチより大きく、とても毛並みが綺麗。いきなり、あまりお目に掛からない動物の痕跡。ひきこまれるねぇ。ウンチさがし、どうなるかと思ったけど、楽しいね。


削った犯人は? うさぎの糞  その後も、ウサギのウンチ、もぐらの穴、鹿の足跡と発見。ウサギのウンチを手に取ってみる。コロコロしていて、凄く軽い。匂いもしない。有畜複合農業の時にウサギは2回ウンチをすると聞いた。1回目のウンチは食べてしまうのだ。1度に消化しきれないので、2回に分けて消化し、本当に吸収できないカスのみ排出する。その結果がコロコロウンチなのだ。草食動物のウンチがコロコロなのにも理由がある。肉食とは違って、自分の存在を消したいのだ。だから、うんちは小さくコロコロしている。ホールアースのヤギを見ていてもなんの緊張感もなく、ぽろぽろとウンチをしている。いつでも逃げれるようにするため、緊張感がなかったのね。
 森の木々は根元が削られていた。動物の仕業だとすると、根の周りだけからして、小動物のような気がする。他にも、材木を運んだ後とか、人が木の健康状態を調べたとかいろいろ意見がでたが、結局理由はわからなかった。ちょっとした疑問から膨らんだ話し。みんなが何かを求めている証拠だろうか?あまりにもいろいろな発見があって、とてもスローペース。そういえば、いつも時間押してたっけ。

冬に木の葉が落ちるのは? 冬に木の葉が落ちるのは?  森の中は耐えず変化する。針葉樹、落葉樹によって明るさが変化する。落葉樹の森に入ったときに、ぴろしが口を開いた。「木はどうして冬に葉を落とすか知っていますか?」ぴろし自身も昔、ふと疑問に思ったらしい。そんなこと今まで考えもしなかった。講座生の中にも知っている人はいなかった。その疑問を紙芝居で解説してくれた。すごい、ぴろしのバックは魔法のバック?つぎからつぎへといろいろ出てくる。冬に葉を落とす理由、みなさんも考えてみてください。
 今度は大きな木の前に立ち止まった。木の下に落ちているどんぐりを手に取り、「どんぐり食べたことがある人?」と講座生に投げかける。そこで、半分以上の人が手を上げる。ただ、一方的に話しをするのではなく、参加させ引きこむことを狙っているのだろう。そこから、「他にもどんぐりを食べる動物がいます。それなんでしょう?」そこで、「リス」「ねずみ」「イノシシ」等の動物が上げられた。ここで「リス」に注目する。「リスは食べきれないどんぐりを隠して、冬の食べ物が少ないときの食料にします。しかし、隠したどんぐり全てを覚えているのでありません。いくつくらい覚えていると思いますか?」「1:3個未満。2:3個〜6個。3:7個〜8個。4:9個以上」それぞれに手を上げる。ばらばらの解答だった。「答えは3の7個〜8個」講座生からは「へぇ〜」と声が上がる。「忘れられた2〜3個が春になって芽をだすのです。リスは種の運び屋なのです。」いきなり、リスが種を運ぶことを伝えるのではなく、身近なところから「どんぐり食べたことありますか?」からの導入。なるほどね。

絵本の朗読  さらに登り、目的の場所についたが、そこには雪はなかった。ちょっと残念。雪の上にくっきりと残っている足跡を期待していたのだが。時間も押していたこともあり、下ることにした。途中ちょっと広々した場所で立ち止まる。そこでぴろしが絵本を朗読してくれた。講座生は全員目を閉じた。春の訪れを感じさせる絵本だった。雨が降ってきて冷たかったが、もう顔を覗かしている春にちょっとワクワク。ここで、午前中の締めをおこなった。参加者に想いを伝えるためには、・小道具を使う。・イメージを広げて引きこむ。・身近なものや生活に関連つける等の説明があった。それは、ぴろしがこの日、この場で実践してくれたことだった。前日、「想いはあるのだけれども、なかなか伝わらない時どうしたらいいのか?」という質問があった。その答えを見つけることが出来ただろうか?この日は「冬から春にかけての自然の面白さ」を伝え、「身近な自然に目を向けるきっかけ作り」を目的としていた。ぴろしの術中に見事にハマッタのはまんまだけではなかったと思う。

★2日目:インタープリテーション・フィールド編A(担当:ぴろし
曲がった木 台風の爪あと  駐車場に戻ると、ぴーまんが温かいご飯を用意してくれていた。ありがたい。心はあったかだったが、体は冷え切っていた。体を温め元気がでた後は別のフィールドへ向かった。森の中をゆっくり歩いていくと急に目の前が開けた。ぽつぽつと小さな木があるだけで、後はススキが生えているだけだった。しかし、地面には木が横たわっている。数年前の台風でこの辺りの木々は倒木となってしまったようだ。溶岩流の上は地盤も浅く、風は木々にとって強敵となる。遠くに見える白い杭のようなものは、植林を守るカバーで、自然に分解する物質で出来ている。何から守るかというと鹿等の動物だ。木が小さいときに葉や芽を食べられてしまうと木は枯れてしまうからだ。
 さらに森の中を進むと力自慢の大木が現れた。写真のようにまるで腕の力こぶを自慢しているようだ。いったい何が起こったのだろうか?きっと、幼いころに苦しい思いをしたのだろう、それを乗り越えここまで成長したのだろう。すごい、生命力だ。勇気付けられる。いつまでも見ていたい気もしたが、先に進んだ。

大木 毛発見  今度は白い毛を発見した。どんな動物の毛だろうか?剛毛のようにも見えるが、触ってみるととても柔らかい。匂いはしなかった。鹿はお尻の周りの毛が白い。ひょっとしたら、お尻の痒かった鹿が木にこすり付けていたのかもしれない。近辺には鹿の糞もあったしね。人の気配があるから顔を出さないのだろうけど、一体動物たちはどこに隠れているのだろうか?ごめんね、君達のフィールドへ踏みこんでしまって。
 少し、下ったところに存在感たっぷりの大木がドンと待ち構えていた。霧が出ていたためか、遠くから見るとちょっと不気味な存在とも思える。しかし、近づいてみると安心感があるのがとても不思議だった。大木ってなんか近くに寄りたくなってしまうよね。

道 大木  この大木を中心に午後のプログラムを行う。4つの班に分かれ、この森の不思議をインタープリテーションする。この森の不思議を見つけ、その不思議に対する答えを想像しインプリするのだ。まずは、一人一人になって不思議探し。不思議と言われてもねぇ。頭の硬い人にとっては、ちょっと難題だ。でも、木が冬に葉を落とす理由わからなかったし、きっとまだまだ知らない不思議があるはず。発想の転換が必要だ。こんこむらさんが同じチームとなった。むらさんの不思議は、この森全体。誘い込まれるようで、帰り道が判らなくなってしまうような不思議な雰囲気。たしかに、道があるからわかるが、遠くにいる人を見ていると、どこまでも行ってしまうような雰囲気を感じる。きっと、夏は夏でまた別の雰囲気を感じるのだろう。

落ちない葉 赤と緑  こんこの不思議は赤と緑の寄りそう2本の木。冬の森を華やかに彩っている。冬に赤と緑、とても不思議な組み合わせ。もしかして、恋人同士?赤い木はヒメシャラ。漢字では姫沙羅。上品、清楚といったイメージだろうか?緑の木はちょっと何の木かわからないが、コケがとてもやさしそうに見える。まんまの不思議は枯れた葉を付けたままの木。すでに葉は枯れてしまっているのにまだ、木についている。もしかして、木も枯れてしまったのかと思い、近づいてみると新しい芽がひょっこり顔を出していた。木は枯れているどころか、新たな生命を育んでいた。この葉はいったいなんの為に残っているのだろう?

 3人で話し合って、一番説明しやすそうな「枯葉をまとった木」の不思議をインタープリテーションすることにした。まずは、仮説を考える。・周りには葉を着けた木はなく目立ちたかったのかも。・葉は枯れちゃったけど、面倒なので、そのままにしちゃった。風が吹いたら、飛んで行っちゃうかも。・よく見ると、新芽を囲むように枯れ葉がついている。ひょっとして、新芽を守っているのかも。今回のインプリはメンバー全員が関わると言うことだったので、3つの仮説を一人づつ発表することにした。本命を最後の「新芽を守っている」にした。新芽を守っているかわいい絵をこんこが書いてくれた。とても判りやすい。メンバーのキャラクターに合せ、「目立ちたがりや」をこんこ、「風任せ」をまんま、「新芽を守る」をむらさんが発表することになった。まずは前振りで「今日、ぴろしが冬に葉を落とす木のことを話してくれましたが、不思議なことに枯れた葉をまとっている木がありました。この不思議に対し、3人のキャラクターに合わせた仮説を考えました。」と話しをした。3つの話しがある事と、話し手のイメージが重なって、聞き手にとって理解しやすいと考えたからだ。ねらい通りだったのか、みんながうなずきながら聞いているのがよくわかった。むらさんが話している時が 一番反応がよかった。これもねらい通り。しかし、発表後にみんなの意見を聞くと「こんこのキャラなら葉を落とすのを忘れちゃったじゃないの?」とか、「絵があるのが判りやすかった。出来れば、全部の仮説に絵を付けてほしかった。」との意見があった。仮説を立ててから、各自のキャラクターにこじつけたのに無理があったようだ。もう少し、自分だったらこうゆう理由でと考えたほうが良かった。雨が降っていて、寒くて、時間が無かったと言い訳しておこう。まんまとしては、発表を聞いてくれたみんなの真剣な眼差しが印象的で、とても満足でした。まだまだ、想いを伝いきれる自信なんてないけど、インタープリテーションって「すてき」と感じさせてくれた瞬間でした。ぴろしが最後に中国の古いことわざを教えてくれた。その通り!!
   ・聞いたことは忘れる。  
   ・見たことは思い出す。  
   ・体験したことは理解する。
   ・発見したことは身につく。

 全チームの発表の後は、短いふりかえり。雨が降っていて、風が冷たくて、とても良い環境とは言えない状況でも、みんな満足顔。何かを掴んだ2日間だったのかな。いよいよ残すところ3月だとけなった自然学校講座四季コース。最後にどんなドラマが待っているのか?楽しいやら、さみしいやら。終わりではなく、始まりの3月になるといいな。よし、プログラムデザインがんばるぞ!!


[1月]身近な極地 〜縦穴洞窟〜
[3月]新たな旅立ち 1日目
[ホールアースメイン]

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