10月スペシャルプログラム:「やった。」坂本 達さん特別講演




講演会の始まり  ”4年3ヶ月も有給休暇をもらって世界一周5万5000キロを自転車で走ってきちゃった男”をご存知ですか?その人は1968年生まれのごく普通にひげを生やした日本人。名前を「坂本 達」という。(ホールアースではキャンプネームの呼ぶのが普通なので以後たつたつとさせていただきます。)その大冒険を「やった。」というフォトエッセイに書きとめている。またたつたつのホームページも公開されている。たつたつと交流があるたまえがホールアースで講演会をしてくれないかと交渉してくれた。たつたつは快く了解してくれ、わざわざ大阪から駆けつけてくれた。感謝、感謝。こうして20数名と小規模ながらホールアースで講演会が開催された。
 事前に「やった。」を読んできた人も多数いるようだが、まんまは見たこともなかった。何の先入観もなく、純粋にお話を聞きたかったからだ。そんな本を読んだことが無い人にもとても判りやすく話しをしてくれた。しかし、あまりにもボリュームが大きすぎて、どうやってレポートを書いていいものか悩んでしまう。ここでは、すべてを伝えられないので、まんまが個人的に心に響いたこと(ほとんどすべてなのだが)紹介したいと思う。

★まずは。
 たつたつが自転車で世界一周したキッカケは、「世界中の人達と出会いたい」と思っていたからだ。入社後、ずっと企画書を提出していたようだ。普通の会社では到底、4年も有給休暇を貰うことは不可能だ。しかし、たつたつが勤めているmikihouseの社長は、「一人くらい普通に仕事せんと、変わった奴がおってもええやないか」と言い、たつたつを支援してくれた。mikihouseのホームページにはミキハウスの想いの1つとして「大きな夢を育んでほしい」と書かれている。社長を初めとするmikihouseの想いでもあったようだ。たつたつを支援しれくれたのはmikihouseだけではない。多くの協賛企業に支えられていたようだ。協賛会社の担当者の方々は自分の夢を代りに託すようにとても好意を持って対応してくれたようだ。こうして、慌しくも、たつたつの旅が始まった。

★3つのこと
ニワトリをもらう  たつたつはスライドを用意してくれた。この写真を見ながら、時には冗談を、時には涙ぐむ話しをしてくれた。とても話し上手だ。 最初のスライドは、たつたつがニワトリを抱え村人と一緒に映っている写真だ。体調を崩しているたつたつのために村の村長がくれたものだ。この村は貧しく、ニワトリ1羽は20食分に相当する。子供がモノ欲しそうにニワトリを見ている。見知らぬ言葉も通じない外国人が自転車に乗って、突然現れたら、どうするだろうか?正直言って怖い。そこは、どこの国でも同じようで、最初は値踏みをされるようだ。しかし、危害が無い事がわかると、とても歓迎されたようだ。たつたつは本当に多くの人、多くの自然、多くの幸運に救われたようだ。話しを聞いていると今でも、感謝の気持ちは少しも衰えていないようだった。  たつたつが心がけた3つのことがある。

 @あいさつ(握手)をする。
 A当たり前のことはない。感謝の気持ちをわすれない。
 B個性を大切に。=素直になる。

@あいさつ(握手)をする。
 どこの国にも挨拶はある。挨拶はとてもお手軽なアイスブレイクだが、その効果は絶大だ。見知らぬ男が自転車に乗ってやってくる。なんだ?こいつ!!とお互いに「怖い」と思いつつ値踏みする。そんな時は積極的に挨拶すし、コミュニケーションを取る。たった一言の挨拶で心が開けたりするのだ。いろいろな国を訪れているじょりぃも挨拶だけなら、数カ国語を話せるようだ。あまり、ご近所の方に挨拶したことなかったので、これからはなるべく挨拶するようにしよう!!

A当たり前のことはない。感謝の気持ちをわすれない。
 たつたつは旅の間、多くの家に宿泊させていただき、多くの食事を頂いた。多くの土地を訪れると、日本では有得ない食材もある。イモムシ、クロコダイル、猿、ゴリラ。。。現地の人は普通に食べているが、中には口に合わないようなモノもあったようだ。しかし、感謝の気持ちは忘れては行けないと常に心がけていたようだ。ある村を訪れた時に、今まで当たり前のように食事をご馳走してくれたのだが、何も出てこなかったからだ。当たり前と思ってしまうと、どうしても態度に出てしまう。感謝の気持ちが無いことが伝わってしまったのだ。「どんなことでも、当たり前の事は無い。自分の気持ちや行動次第で良いことも悪いことも起こる。」心に響く一言だった。いろいろな人に感謝の気持ちを忘れているような気がする。みんなも同じ事を思ったのだろうか。その後、何かと「ありがとう」と言うようになった。たつたつのメッセージはみんなに確実に届いているよ。

 B個性を大切に。= 素直になる。
 多くの人は、自転車で世界一周する人をとても体格のいい人だろうと想像する。しかし、たつたつはそれほど体が大きい訳でもなくごく普通の日本人だ。時には、体格の良い人をうらやましいと思ったこともあったようだ。しかし、人それぞれ個性を持っており、人それぞれできることもあれば、できないこともある。自分を受け止め、素直になることが大切だ。四季コースの面々も個性派揃いだ。お互いの個性を認め合ういいキッカケになったようだ。


★多くの親切
 何度も書くようだが、たつたつは多くの人の親切によって、世界一周を成し遂げた。「トルコでは私達がターツの両親だよ」と言ってくれたエンジン家族。トルコでは遠くから来た旅人のことを「神の客」と呼び、「できる限りのもてなしをしよう。一宿一飯の世話をしよう」という教えがある。ギニアではマラリアと赤痢の合併症にかかりギニア人医師のシェリフに9日間世話になり救われた。出発の時に お礼のお金を渡そうとしても「俺の国にいる間は、俺達が面倒をみる。金の問題じゃないんだ。それにおまえは、友達だ。友達から金は貰えない」と言って受け取らない。アルゼンチンでは、高山病にかかり、生きるか死ぬかを考えた直後にアットホームな宿に宿泊し、心のケアを受けた。宿なのに、いつまでもいていいよと言ってお金は半分も受け取らない。食事も最初は外食だったが、一緒に頂くようになった。まるで息子のような扱いだったようだ。
 なぜ、各国の人々は、これほどにまで、親切にしてくれるのだろうか?たつたつのチャレンジスプリットに心を打たれる人もいろだろう。たつたつの話してくれた理由は自国の文化、伝統、教えを誇りに想っているからだという。誇りに想うからこそ、いろいろな人に自分達のことを知ってもらいたいのだと。確かに、来日している外国人に日本食で何が好きなのか関心を抱いたりする。そこで、「なっとう」や「刺身」が好きと言ってもらえるとうれしい気がする。知らず知らずのうちに日本食を誇りに思っているのだろう。たつたつが今回のように講演会を開いてくれるのは、お世話になった方々の文化を日本で紹介して、少しでも恩返しをしようという気持ちがあるのかもしれない。

★親と子
子供の目  今回の講演会でまんまが一番書きたかった事は、たつたつとご両親の事だ。世界一周旅行からは少し話がそれる。
 初め、自転車で世界一周したいと打ち明けたときは、ご両親は「冗談であって欲しい。」と思ったそうだ。しかし、たつたつが情報を集め具体的に準備を始めると、本気だと言うことが段々と判ってくる。辞めて欲しいと思った母親はミキハウスを訪れ、社長にくってかかった。「どうして息子を世界一周にいかせるんですか?」と。それに対し、社長は「達の身に何かあったら、一生十字架を背負って生きるという覚悟」をしていたようだ。そもそも、この企画はたつたつ自身が提案したものだ。最終的には母親も「自分の子供なので」と覚悟を決めた。しかし、そこからが凄い。たつたつの撮影した数万枚写真の整理、スポンサーとの連絡とサポート役を受け持った。また、商社勤めの父親も各国の支店に自分の息子が訪れることを連絡し、サポートに徹した。そんな応援をしつつも、時に、「戦争に息子を送り出すのはこういう気持ちなのかもしれない」とこぼす事もあったそうだ。胸の張り裂けそうな思いをしつつも、応援し、見守っていたのだ。たつたつは、そんな母親とはテレパシーで繋がっているような気がしていたそうだ。まんまはこの話しを聞いていた時は、涙が止まらなかった。本当に無事帰ってこれてよかった。ただし、たつたつの子供が、自転車で世界一周したいと言ったら反対するそうだ。それは、大変さを知っているからだそうだ。

子供の目 ★日本に帰ってから、そしてこれから。
 日本に帰ってから、今回のような講演会を何度も行っている。「今の日本の子供には、夢を語れる大人が必要」と思っていたからだ。その目的を果たすべく、昨年は、夢の掛け橋プロジェクトとして宗谷岬から沖縄まで、自転車で日本を横断し、86箇所で子供達に夢の大切さや世界一周での体験を伝えた。子供達の反応はとてもよい。とても真剣に、目を輝かせながら、話しを聞いてる。子供自身から、「もっと多くの人にこの体験を伝えるべきだ。」との意見もでているくらいだ。きっと、日本中のたつたつの講演を聞いた人は同じ思いでいるだろう。このネタで、一晩くらい語り尽くせそうだ。講演の依頼は随時受け付けているようだ。関心のある人は問い合わせをしてみよう。
 たつたつは現在、会社員として仕事をしながら、「やった。」の印税全てと講演会の謝礼を使って、マラリアと赤痢から救ってくれたギニアの方達へ恩返しをしようと井戸掘りプロジェクトを進行中だ。そのうち「ほった。」という本がでてくるのかは不明だが、これからも各国で「恩返しプロジェクト」を進めていくという。

  フォトエッセイ「やった。」の紹介はこちらから!

  http://product.esbooks.yahoo.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30782422
  http://www.melonpan.net/tatsu/yatta/index.html   

★最後に。
 講演会をありがとう、たつたつ
 たつたつを紹介してくれてありがとう、たまえ
 会場の準備、送迎をありがとう、じょりぃ
 そして、世界中の応援者へ、いろいろな感動をありがとう。


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