★2日目:講義 「各地の事例発表」 〜日本〜 (担当:
アッパー)★
長い、長い前振りが終り、やっと講義が始まる。今日は、デッキで青空教室だ。芝川に流れ込む滝の音がちょっとうるさいのが難点。まずの日本のエコツーリズムの現状を
アッパーが解説してくれた。
環境省では
「エコツーリズム推進会議」が行われている。実は
アッパーは「エコツーリズム推進会議」の委員でもある。「エコツーリズム推進会議」では5つの「エコツーリズム推進方策」をまとめた。
5つのエコツーリズム推進方策
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エコツーリズム憲章
A
エコツアー総覧
B
エコツーリズム大賞
C
エコツーリズム推進マニュアル
D
エコツーリズムモデル事業
@
エコツーリズム憲章
憲章は詩で書かれている。憲章を辞書で調べると「国家や団体が理想として定めた、大切な原則」とある。詩では解り難いというような意見もあったようだが、憲章とはイメージであり、「エコツーリズムの役割」を考えれば詩で現すことにより大切なことが伝わるのではないだろうか。ぜひ、リンクから憲章を読んでみてください。
A
エコツアー総覧
不思議なことに今まで「エコツアー総覧」となるものがなかったようだ。それだけ、限られた人のツアーだったのかもしれない。ツアーの内容だけでなく、交通手段(パークライドや電気自動車など環境配慮した)や宿泊施設も掲載される。まだまだ登録数が少ないようだが、今後の発展を期待したい。
B
エコツーリズム大賞
何かと日本には賞が多い。賞と聞くと血が騒ぐ民族なのだろうか?
C
エコツーリズム推進マニュアル
人や自然を相手に観光事業を行うことは難しく、地域活性のために「エコツーリズム」を導入したいどけ、何をどうしていいのか解らない人達へ最低限の情報を提供しているのがエコツーリズム推進マニュアルだ。しかし、マニュアルは300ページ近くにも及ぶ本格的なものとなっている。
D
エコツーリズムモデル事業
エコツーリズムモデル事業を3種類に分類し、募集を募った。
A.典型的エコツアー
そもそもエコツアーは自然が豊かで、自然に特徴がある原生の自然環境で行われていることが多い。日本でいうと屋久島や白神といったところだろう。海外のエコツーリズムは「典型的なエコツアー」が多い。海外では(先進国と思われる)自然と向かい合った生活をしている地域もあるようだ。。
B.従来の観光地「マスツーリズムのエコ化」
多くの人が訪れる地域での取り組みは、環境立国を目指す日本としては、必要不可欠なモデルだと思う。
C.環境保全活動型
これまで海外では「典型的エコツアー」が中心であったため、このモデルは募集してもほとんど応募が無いと思われていた。しかし、蓋を開けてみれば、33地域からの応募があった。日本人は元来、自然と向き合うのではなく、自然の中で自然と共に生活をしてきた。自然感が欧米諸国とは違うのだ。日本の里山文化がここに生きている。その結果として、日本での「エコツーリズム」は海外で一般的な「典型的エコツアー」より、地域と密着した「環境保全活動型」が中心となってくるのではないだろうか。
昔から日本でも「エコツーリズム」とは何ぞやという議論がおこなわれてきたようだ。近年になって、環境省が中心となっての政策がスタートしたばかり。そこには「里山文化」という日本独特の文化が生きている。日本独自の「エコツーリズムシステム」の発展がとても楽しみだ。