「自」酒を造ろう!
富士錦酒造で日本酒仕込み体験

富士の麓、芝川町の富士錦酒造で日本酒仕込み体験をしてきました。

★酒蔵の朝は早い
酒蔵の朝は早い。4時半から作業開始ということで、前日にホールアース自然学校に集合した。宿泊=飲むの法則がこんなに成り立ちやすいイベントは他にないだろう。今回の参加者はかっちゃん、もりちゃん、まんまの3名だ。ちょっとすくない気がするが、それぞれの持ち味がうまく絡み合い、とても楽しい2日間となった。結局夜中の0時過ぎまで飲んでいた。これで、寝坊したら何をしに来たかまったくわからない。

専務がお迎え ★専務がお出迎え
みんなしっかり起床し、富士錦酒造へ向かった。駐車場には一人の人が立っていた。富士錦酒造の専務さん(写真左端:他の3人は参加者)だった。なんか酒蔵というとオジサンを想像してしまうのだが、ちょっとかっこいい感じの専務さんだ。蔵の中にはいるとすでに黙々と酒作りが行われていた。われわれの存在などお構いなしだ。富士錦酒造では、「南部杜氏」と呼ばれる岩手県出身の杜氏さんが酒作りを行っている。杜氏さんも蔵人さんも素朴で無口だ。こちらから話しかけないとほとんど話しをしない。しかも、東北弁で何をいっているか理解できないことがある。聞きなおしても、まったく同じことをいう。まんまにはもうニコニコすることしかできないのであった。

室 ★いきなりの室仕事
到着そうそう、いきなり室に入ることになった。上着を脱いでといわれた。確かに室仕事は上半身裸というイメージがある。きっとほこりを嫌うのかと思って聞いてみたら、単に暑いから脱ぐそうだ。室の中に入ると確かに暖かい。また、麹の香りが室中に充満している。最初の仕事は、写真左手前の水道の蛇口みたいなのがいっぱいついている箱の中の麹を運び出す作業だ。この麹は事前に麹菌と米を混ぜ合わせて寝かせたものだ。運び終わると、今度は、写真奥の米麹をかき混ぜて温度を調整する。そのままにしておくと、中の温度が上がってしまうのだ。途中で仕切りがあるのは米の種類が違うためだ。手でかき混ぜる感じは、とてもさらさらしていて気持ちいい。前日に米と麹菌を混ぜ合わせてあり、すでに米全体に麹菌が回っている。混ぜ方にも熟練の技があるようだ、真似してはみるものの、やはり同じようには行かない。また、混ぜたり、じっとみたり、指先で米の感触を確かめたり、何をどう思ってやっているのかわからないまま作業がすすむ。何か厳粛すぎてなかなか話しかけるタイミングがつかめないのだ。次の作業は米を先ほど出した箱の中に入れる作業。箱の中は段々になっており、まるで鏡の用に平らに米麹を敷き詰める。この作業を終了し、朝食となる。時計は朝6時を回っていた。室の外にでると寒い、汗をかいていたため、余計に寒く感じる。こんなことを毎日やってよく風邪を引かないものだ。朝食は酒蔵が用意してくれていた。自前で冷たいおにぎりを持ってきていたが、あったかいご飯の方がいいに決まっている。体を動かした後の朝食なんて何年ぶりだろうか?とてもおいしく頂きました。


すごい湯気 ★すごい湯気だ
食事を終え、外に出ると酒蔵一面に湯気が。。。最初の写真後ろの釜(当然米を蒸している)からすごい勢いで湯気が出ている。布のカバーがまん丸と膨らんでおり、まるで肉まんみたいだ。ご飯を食べ終えたばかりなのに、とてもおいしそうなにおいに引かれる。

★釜から米を出し、麹菌をまぜ、室へ運ぶ
蒸した米を移す 麹菌を振り掛ける準備 麹菌を振り掛ける 麹菌を振り掛ける
釜で蒸した米をラインに移し、麹菌を振り掛ける。麹菌を振り掛けるのは杜氏の役目だ。麹菌は深い緑色をしている。麹菌を底がメッシュになっているカップにいれ均等に振り掛ける。麹菌を振り掛けた米は布に包まれ、人の手によって室に運ばれる。

すごい湯気 すごい湯気 ★再び室へ
再び上半身裸になり、室の中に。運んだばかりの米を冷ましながら、温度を一定にしていく。米の中に温度計を差込み、温度が高いところはかき混ぜる。このかき混ぜるのが大変なのだ。米に粘り気があり、ものすごく重たい。温度が一定になったら、壁と米の間に隙間を空ける。この米は一晩かけて、麹菌を繁殖させるのだが、そのときに、熱を発するために水分も蒸発し、壁に水滴がつく。この水滴を嫌って隙間をあけるのだ。明日になると麹菌はしっかり、米全体に回っている。

酒粕剥がし 仕込み中 ★そのころ他では
そのころ他では仕込みと酒粕剥しが行われていた。仕込みは酒母(「もと麹」(室仕事で作った)、「水」、「掛米」(精米して蒸しただけの米)と酵母を混ぜたもの)に「麹」「水」「掛米」を三段階に分けて仕込んでもろみを作る。麹は米のデンプンを糖分に変える役割を担当し、酵母は糖分をアルコールに変える役割を果たしている。つまり、麹と酵母のどちらが欠けても日本酒はできないのだ。納豆菌は麹菌と相性が悪い。今回の体験も何度か注意された。酒蔵見学や仕込み体験をするときは納豆を食べないようにしましょう。
酒粕剥しはもろみをしぼった後、絞り機に張り付いている酒粕を1枚1枚剥す。酒粕は粕漬け用として箱詰めされ出荷する。この酒粕剥しが大変なのだ。出荷するので、ある程度きれいに剥す必要がある。また、絞り機はいくつもの部屋に分かれており、何十枚もの酒粕を剥すのだ。ここで、しぼりたてのお酒を飲ませてもらった。うまい!!とても濃厚で、いつまでも口の中が酒のうまみで満たされていた。酒のみは蔵人にはなれないと確信した瞬間であった。

★作業は終了
朝、4時半から始まった体験プログラムはお昼で終了。蔵人の仕事はもちもんまだ続く。酒作りの作業は、「精米」→「洗米」→「蒸し」→「室仕事」→「仕込み」→「しぼり」→「濾過」→「火入れ」→「熟成」→「清酒」の流れで行われる。始めは何をやっているのかまったく理解せずに行っていたが、大体一通りは体験でき、最終的には頭の中で1つにつながった。。ホールアースとしては、定員割れで赤字だったかもしれないが、日本酒好きにはうれしいプログラムなので、毎年実施してほしい。そのときは手伝い(試飲)にいくよ。最後に、朝食をご馳走になり、しかもお土産に日本酒まで下さった富士錦酒造のみなさん、いろいろ気を使ってくださったホールアース自然学校のジン、トモネェ、生意気なまんまと一緒に2日間楽しく過ごしてくれた、もりちゃん、かっちゃんありがとう!!また、一緒に酒を交わしたいですね。
そうそう、春にはわれわれの特別ボトルが出来上がります。そしたら試飲会やりたいね。
また後日、富士錦酒造蔵開きにも行ってきました。そちらもご覧ください。

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